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あい基金 第一期助成対象団体の報告概要

<あい基金 第一期助成対象団体の報告概要>
1.株式会社WATALIS(宮城県亘理郡亘理町)引地 恵さん
助成対象プロジェクト:『WATALISきものアートプロジェクト』
~2年度目、世界にひとつの作品の受注生産方式に取り組みます~
全国のタンスに眠っている古い着物地を集め、それを亘理町(ワタリチョウ)というローカルな被災地の女性達で作りかたをトレーニングしています。地元にある「巾着袋の中にお米を入れてお返しする」その巾着袋を着物の端切れで作っていた昭和の時代の地元のおばあちゃんの返礼文化を形にして商品にして発信していくということで、女性の仕事づくり・地域の文化の発信・継承を目指しています。着物地をもう一度世の中に出すという、本当は捨てられるようなものの価値を高めて商品にして出していくという「アップサイクル」の活動です。
昨年度あい基金の助成金を使い、まず学ぶことを行いました。WATALISには古い着物の状態で入ってくるので素材のパーセンテージなどは表記されていません。着物地という素材について深く学ぶ研修会を行い、古物商で着物を扱っているキャリアのある方のもとに何度も通い、実際に着物を見て、「これはシルク」「これはいつの年代の物」「これはどうやって色をつけたもの」が目利きできるようになりました。これによって、今後WATALISの商品の価値、価格設定について説明ができるようになりました。
また大型作品の作成については、一般社団法人日本記念日協会の購入が決定し実現できました。大型作品は、366着の着物地を使ったカレンダーの大きなタペスタリーです。持っている着物地のバリエーションを見せられ、今まで学んできた色の合わせ方やデザイン力を季節感に合わせて一つの色の流れ、月ごとのながれに表現しました。タペストリーと併せて作成したフラワー・リースを総額81万円でお求めいただき、今までの売上値の最高値を記録しました。
2016年3月に、その作品を展示するギャラリーを町の空き店舗を改装しオープンしたことも含めて告知しました。金融機関、県、町、色々な後援者の方々を集めてお披露目する一つの大きいイベントにもなりました。地元メディア、読売新聞など、宮城県にとどまらず、関東圏や全国紙でも取り上げてもらうことができ、創った作品を発表する、発信するという点についてもある程度の成果を出せたと思います。
来年度は、アート作品でありながら実用的でもある、帽子やバッグなど沢山の生地をはぎあわせて作るもので受注会を開き、オーダーで作品をお作りする、世界に一つの付加価値の高い商品づくりに取り組みたいと思っています。
あい基金の助成金分を「物を売って利益で稼ぎ出そう」とするととてつもなく大変なことです。皆さんからの貴重な寄付というお金を、WATALISを信頼して預けていただけているということに、今日改めてその重みを感じました。必ず継続して、成果を出し、地元の亘理町の女性の未来を切り開いていけたらなと思います。

 

 

2.特定非営利活動法人ウィメンズアイ(宮城県本吉郡南三陸町)栗林 美知子さん

助成対象プロジェクト名:『パン・菓子工房Oui (ウィ)プロジェクト』
~2年度目、原点に戻って利用者に寄り添い、パン工房存続方法を考えます~
ウィメンズアイは東日本大震災の後、災害ボランティアで参加した有志のメンバーで立ち上げたNPOで、現在は宮城県の沿岸に位置する南三陸町で、「女性たちが自らをいかして元気に活躍する』社会をめざして活動しています。南三陸町は人口が13,000人程の小さな町で、その周辺に人口が7万人ほどの地方都市が隣接しています。
パン菓子工房oui(ウィ)はパンとお菓子の製造許可を取得した共同加工場で、地域の女性に貸し出して運営を行うものです。200人を超える企業からの寄付で木造の建物を建て、2016年2月25日にオープンし、あい基金助成で設備を整えました。工房の事業の1つは、登録利用者が場所を借りて自分たちのパンを販売すること、その工房を維持管理していく為の費用を稼ぐために、oui独自のパンを販売しています。
この一年間の成果としては、工房の利用者は当初目標の15人に達し、開業からは約10カ月間で利用料とOuiのパンの販売収益が150万ぐらいになりました。自分のオリジナルの屋号で出店したり、注文販売したりできる利用者も生まれています。また、専属のアドバイザーがいることで製パン技術が向上しており、国産小麦と天然酵母、地元食材を使ったパンがつくれるようになりました。
しかし利用登録者の人数は目標に達しているものの、工房自体の稼働率が思ったようには上がっていません。利用者のやる気が無いわけではないが、それぞれに固有の理由(震災の影響、親の介護、子育てなど)があり、自分が使える時間に制約があります。自分で考えて物事を決めて行動をする、自己決定して更にそれを経済活動として行うということへのハードルが、この地域ではとても高い、と感じています。また若い女性のチャレンジを応援するような文化もあまり地域の中にありません。利用者側に、失敗を恐れる気持ち、恐怖心があるのをすごく感じます。そんな中で、自分の名前をつけて屋号をつけてパンを売るということへの勇気・チャレンジを応援していきたいと思います。
私自身が一年目、この活動をするにあたってすごく自分の肩に力が入ってしまって、いろんなビジネスをしている人たちからアドバイスをもらったし、販売を拡大していくことへのアドバイスももらうが、実際作り手が今抱えている悩みとのギャップがすごくありました。私自身がどう取り掛かればいいのか見失いがちなところがありました。今回、あい基金で一年間を振り返る時間を貰い、ウィメンズアイが大事にしてきた、その人に寄り添うということを大事にしたいと思いました。
今年はもっとそれぞれとの話し合いをする時間や利用者たちと一緒に話をして、今後どうしていくのかを考える時間をもっととりたいと思います。このシェア加工場の存在自体がすごく重要なので、それを維持していく方法を利用登録者の方たちと一緒に考えていきます。利用者と運営者との距離が凄く離れていたのを、もっと近いものに今年はしていく中で、今後どうしていくかを二年面の目標とします。
当初考えていた二年で自分たちウィメンズアイの運営から地元の人たちに移管する、という目標は二年目では達成できないと思うが、これから関係性を築きあげることでその方針をつくるところまで二年目でやっていきたいと考えます。

 

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